街を彩るイルミネーションが華やかなホリディシーズン。
12月のクリスマスに向けた装いのご提案をと思いつつ（未だご紹介をしきれていないのでございます…）、
先日染め上がった浅野榮一さんの万筋江戸小紋に森健持さんの辻が花の染帯を合わせ、明くる年の誉れに相応しい組み合わせをご紹介いたしました。

 

万筋の江戸小紋は生地がポイント。
散らし松葉柄の紋意匠生地なのです。

 

松葉は陰と陽、染め上げると白く立体的に浮き上がる松葉と、ひと色落ち着いて染まる松葉がございますから、一色染めでも陰影感に富む素敵な色無地になるのです。
それに万筋を染めるのですからこれはもう素敵になること間違いなし。

 

松葉地紋の立体感に、万筋の経の白のラインが相まった素敵な江戸小紋が染め上がりました。

 

お召しになり、例えば上前を眺め、袖の袂の動きを追った時に浮きつ沈みつする松葉に心がときめくことでしょう。
表だっての晴れやかさではなく、じんわりと響く美しさ。
それはきっと相席なさる皆様にも伝わるものだと思うのです。

 

松葉散らしの江戸小紋には重めの袋帯も素敵ですが、この度はしゃれっ気に富んだ松竹梅の染帯を合わせ軽やかに。

 

森健持さんの辻が花の染帯です。

 

密陀僧色の塩瀬の帯地に、お太鼓には辻が花で染め分けられた空色鼠の短冊にそれぞれ松・竹・梅を。
そして前腹にはそれぞれ鶴と亀が描かれた素敵な染帯です。

 

この染帯の必見ポイントは「竹の子」でしょうか。
竹を竹の子で現すなんて、なんともユニーク。

 

原典は、竹久夢二がデザインした松・竹・梅の封筒だそう。
そこに森さん創作の鶴と亀を前腹に。
丹頂の鶴もとっても可愛く、亀もほのぼのしておりますね。

 

辻が花の味わい深さとカチンの墨描きには絵心をしのばせて。
森さんの辻が花かわいいシリーズ、竹久夢二リスペクトの染帯です。

 

しゃれっ気に富んだ素敵な松竹梅ですから、気負いなく様々なシーン＆着物に合わせ、お楽しみいただけることでしょう。

 

帯揚げには、白に赤の輪出し梅で華やかに、
帯締めは、目立ちすぎずしとやかに。

 

めでた尽くしの装いで運気を揚げてまいりましょう。