小紋・色無地
桔梗色にグレイ味を少し垂らしたようなお色”錆桔梗色”に、白の江戸小紋の文様が綺麗に映えてとても綺麗。
こちらは「千切(ちぎり)」紋を染めた江戸小紋。
三代に渡って人間国宝である小宮家の江戸小紋でございます。
千切とは織機にとりつける経糸を巻く工具をさし、「契り」にも転じる文様として特に足利時代には多くの家がこの家紋を使用していたそう。
様々なアレンジのある紋ですが、本作品では松葉を組み合わせた千切紋でございます。
冬の冴えた蒼い空に拡がる星空のように白さが際立つのも、
例えば、千切のこの小さな四角の角の一つ一つのエッジがたっていてシャープだから。
小宮先生の染めの技はもちろんですが、
彫職人の腕であり、その下地である伊勢型紙の職人の腕、三位一体の技量が生み出す綺麗さであり奥行きなのです
それぞれの職人たちが腕を磨き惜しみなく時間を注いで創り上げる江戸小紋。
その伝統が脈々と受け継がれ、今も目にすることが出来る有難さは、決して無くしてはいけないものだと感じます。
江戸小紋には、友禅模様や金銀箔、刺繍のような目立つ華やかさはございませんが、
だからこそ文様に託した願いや意図を汲み取り味わう楽しみは、知的な好奇心をくすぐります。
お出かけ先は帯の選び方次第、様々なお席に。
連なる山を染めた、山々柄の江戸小紋八掛けのご用意がございます。
日本工芸会正会員
1956年 東京葛飾区に小宮康孝の長男として生まれる
1980年 第27回日本伝統工芸展 小紋着尺初入選
1983年 第30回 日本伝統工芸展 文部大臣賞
1998年 第35回 日本伝統工芸染織展 日本経済新聞社賞
2000年 第37回 日本伝統工芸染織展 日本工芸会会長賞
2006年 第53回日本伝統工芸展 高松宮記念賞受賞
2010年 紫綬褒章受章
2010年 第44回 日本伝統工芸染織展 日本経済新聞社賞
2016年 第56回 東日本伝統工芸展 根津美術館館長賞
2018年 重要無形文化財「江戸小紋」保持者に認定









