名古屋帯(織り)

第98回国展入選作「Largo」
国立新美術館で拝見したときから素敵だなあと思っていた作品です。
広々とした会場に並ぶ、いずれも作家が渾身の力を込めた素晴らしい作品ばかりの中、私達の心を掴み呼び寄せてくれる、
つまりそれが「好み」なのでしょう。
ご縁をいただき、弊店にお迎えすることができました。
僅かにグレイ味を帯びた灰白色の帯地に、リズムよく織り上げられた黒柿色と柳茶色の絣格子。
きらり、きらりと光を纏わせるような花織の冴えが素敵ですよね。
経縞のゆらぎの表現もまた、何気ないけど確実に帯の表情を形作っているようで素敵だなあと思うのです。
ご許可いただき、小名木さんのInstagramより帯のご説明を転載いたします。
樹木の陰に咲く小さな花、大地の色、優しい陽をイメージしました。
タイトルはヘンデル作曲のLargo(ラルゴ)から。
Largoの左手の和音が経緯の重なり合った絣地に見え、
その上に花織のぽつぽつと均一に入れている模様が、
右手で奏でる音の一粒一粒に聞こえるなあ。
なんて自分にしか伝わらないようなことを思いながら織っていました。
音の一粒だったのですね。
いつも素敵な作品を有難うございます。
2020年 現代手織物クラフト公募展 入選
2021年 国展 新人賞
2022年 国展 入選
2022年 現代手織物クラフト公募展 入選
2022年 国展 入選
2023年 国展 入選
2024年 国展入選