名古屋帯(染め・刺繍)
素晴らしい友禅作品に出会うとき、心が高鳴ります。
佳き生地、佳き絵を描ける図案師、それを具現化出来る技量のある染め職人。
そんな職人を束ね、発注する染め屋さんがいらっしゃるからこそ染め上がる作品たち。
今回頂戴した作品もその一つです。
結城紬地に染められたのは、松。
空間の取り方、その構図。
なんて優雅で素晴らしい松なのでしょう。
白茶色にグレイ味を加えたような潤色(うるみいろ)に染められた、柔らかく軽い結城紬地に、伸びた黒橡色の幹。
数色の濃淡を使い分けながら描かれた松の葉の陽影の細やかさ。
上手く説明できないことがもどかしいのですが、
この作品はこの人がいなければ染められない作品なのだ、と確信できる、そんな染帯です。
本作品は、染めの百趣矢野さんの創業55周年記念「昭和の匠 作品展」に因む作品です。
最高峰の友禅が展示された圧巻の空間は、必見すべき会でした。
その職人たちが染め上げた作品でございます。
■ 染名古屋帯(松/結城紬地)
※お値段は、お問い合わせ下さい。