湯本さんならではの柔らかい墨濃淡で描かれたぷっくりとした千鳥のなんて愛らしいことでしょう。

 

蒸し暑い季節を少しでも快適に過ごせるようにと、流水や千鳥が描かれた団扇には、山吹色の紐飾りがひらひらと揺らめきます。

しかも、柄の先だけでなく、骨にもあり、まるで鈴のようですね。

 

写生が基本と仰る湯本さん。

身の回りの自然をモチーフにしながら、独自の感性で昇華し、抽象化された、まるで型絵のような手描きのタッチと独特な色遣いが湯本ワールドです。

 

極淡くグレイ味を帯びた白鼠色の帯地は、ふんわりとした薄手の柔らかい紬地から、織物にも柔らかものにも合わせていただけます。