松や霞を背景に涼やかに銀が煌めく網干を主柄に、葦の浜辺の風景を描いた夏・単衣向けの染帯です。
帯の地色は黒ではなく
藍みを加え心持ち黒さに柔らかさを足したような藍墨茶。
網干の柄の染帯も素敵かなと思っていたところ、染め屋さんで黒地の帯を拝見。
帯の地色を黒ではなく
藍みを加え心持ち黒さに柔らかさを足したような藍墨茶に変更し、
刺繍の色(特に冴えた水色にこだわりました)も弊店好みに変え、
新しく誂えていただきました。
さて、「網干文(あぼしもん)」
馴染みのない方多いかもしれません。
魚を捕る投網を乾かすために棒に丸く拡げるように干した様子をいい、江戸時代の小袖などで拝見いたします。
デザインとしても素敵ですが
網は大漁を意味し、
また、転じて敵を一網打尽にするという武運を願う、縁起柄なのです。
縁起担ぎは今も昔も同じ
幸せを願う人の心は変わらないものですね。
涼しげであり凛とした網干は
その周りにたっぷりと描いた松や霞をしたがえて格調高く
一方、水葵はそよと愛らしく
釣り竿を添えた魚籠(びく)は素朴なのです。
白の糊揚げで描いた水辺に拡がる夏景色は
着姿を優雅に 趣深い姿へと引き上げてくれることでしょう。
小格子柄の紗紬の帯生地は柔らかい風合いです。
垂れものの付下や色無地から紬まで、幅広い着物に合わせお楽しみ下さい。
この度の染帯は、
弊店オンラインショップに掲載いたしました。
是非覗いてみてくださいませ。
☆オンラインショップ
■染名古屋帯(網干や葦の水辺の風景/藍墨茶・紗紬)[夏・単衣向]