有職織名古屋帯「二陪織物」の御誂え
「お着物は付下~紬で、回忌法要や偲ぶ会へご出席の折に結べる帯を」とのご依頼をいただきました。
お時間がありましたので、御誂えをお勧めし、「鏡に鳳凰文柄の有職の織名古屋帯」を仏事用仕様へと、色を変えご調製させていただきました。
「仏事用の帯を」とリクエストを頂戴した場合、仏事向けの綴れや、シックな織や染帯などをお勧めすることも多いのですが、お届けに時間はかかるものの、何処にも無い帯を締める 『御誂え』 の特別感や丁寧さは、偲ぶ席にも相応しいですね。
この度は、数ある有職の柄の中から、鏡に鳳凰文の文様をお気に入っていただきました。
定番配色のこの帯も、有職らしい典雅な色遣いとその上質な織に、礼装~紬まで合わせていただけるとご好評です。
地色のご希望はグレイ。
グレイの濃度や他の配色についてもお任せで、と承りましたので、お客様に御似合いのグレイの地色を決め、その濃淡で柄色を決め、すっきりと上品に。
鈍い銀糸の輝きをプラスし、更なるラグジュアリー感をプラス。
仏事用でもあり、平素にもお使いいただけるような名古屋帯を御誂えいたします。
配色が決まると、「見本裂」(目出し:一部分の試し織り)を作成し、イメージ通りに仕上がっているか、確認いたします。
満足ゆく仕上がりでしたので、最終的に名古屋帯へと織り上げました。
一本からの御誂えはなかなかお受けしていただけないものなのですが、こちらの帯は、機屋さんのご厚意により、丁寧な仕事ぶりで御誂えしていただけます。
貴女だけの為に時間をかけ、手間をかけ、お作りさせていただく帯。
ご愛用いただけますと幸いです。
「袋帯に適う格の高い名古屋帯を。」とリクエストいただいた時にご紹介しておりますのが、こちらの有職二陪織物。長く有職の織りに携わってきた織元による手織り有職名古屋帯・袋帯(二陪織物)です。
二陪(ふたえ)織物とは、広義では唐織の範疇となり、地文様の上に上文を浮かせて織り上げる織物のことをいい、少なくとも11世紀には、几帳の裂、小袿などに織り出されていました。その後、男性の狩衣などにも用いられる等、華やかで格調高い二陪織物は、高位の貴人達に尊ばれ、公家装束や祭祀に用いる装束として、連綿と今日まで受け継がれています。
この典雅で格調高い二陪織物を、私達が実際に着用出来る帯としてご案内しております。礼装や盛装のお召し物はもちろん、結城紬などのリュクスなお洒落着にもどうぞ。
もちろん現品のご用意もございますが、弊店では、織り元のご厚意をいただき、ご希望の柄やお色が無い場合は、ご用意している見本帳の中からお好みのお色、柄を選び、お客様だけの一本を御誂えしていただけます。
お誂えは、袋帯、名古屋帯、どちらでも承ります。
名古屋帯では、お太鼓部分だけを二重にする「比翼仕立て」も承ります。
(名古屋帯の扱いやすさや締めやすさに二重太鼓が組み合わさった帯となり、大変重宝するとご好評です。)