名古屋帯(染め・刺繍)

作家の作品には、その作家しかなし得ない作風と命が宿る。
トレースするが如く同じように描いたとしても、決して同じにはならない。
だから、求めたくなるのですよね。
お客様が仰る”出会ってしまったわ”のお言葉。
弊店もまた同じ気持ちで作品を頂戴していて、この度は、この渋谷さんの素適な帯に巡り合いました。
薄いクリーム地に、扇面が染められています。
扇面を埋めているのは、桜と梅。
お色遣いも柄ゆきも柔らかいのに、帯から感じるオーラはシャープ、すっきり。
折り目正しい。そして美しい。
ご年齢を重ねられると、作品が侘びてくる作家様が多いようにも拝見しておりますが、全くご年齢を感じない、活き活きとしたオーラに満ちた作品です。
1932年 生まれ
1957年 京都市立美術大学工芸科染織専攻科修了
1964年 日展特選北斗賞受賞
1998年 京都美術文化賞
2003年 京都市芸術功労賞