名古屋帯(染め・刺繍)
夏物一覧

白茶色の絽縮緬地に伸びやかに鉄線を描いた染帯です。
白橡色にも近い白茶色の落ち着いた地色ですが、決して地味ではなく華やかですらある。
それは、鉄線の白が鮮やかに映え、青みを帯びた緑青色から渋紙色へと丁寧に描かれた葉や茎が活き活きしているからに外なりません。
優雅で力強いタッチ。鉄線の蕾の筆のタッチのなんて繊細な事。
鉄線は、夏・単衣時期の染織に多く登場するモチーフですから、数多の作品を拝見してまいりましたが、この鉄線の姿は何処にも無い、品川先生ならではのもの。
作家の画力が溢れ出る躍動感や巧みなお色遣いは、流石の一言なのです。
品川先生の作品は多くお取り扱いさせていただいております。
吉兆雲や花紋などのモチーフとしての柄ゆき、いわば近年の「アイコン」的な作品も素敵ですが、この度ご紹介させていただく作品のように大胆でいて繊細な鉄線の花、
品川氏にしか描けない具象的な表現にこそ、本来の先生らしさがあるようにも感じます。
絽縮緬地は駒の絽塩瀬地に比べ、紬にも合わせやすく、コーディネートの幅も広がりますね。
絽縮緬は盛夏にもご着用いただけますので、ご着用時期も5月後半から9月までと長くお楽しみいただけることでしょう。
■絽染名古屋帯(鉄線/絽縮緬 品川恭子・作)
●品切れ