有職織物
夏物一覧
甕に湛えた水面を覗きこみ、そこに映りこんだ空の色を表現したともいわれている、”瓶覗色”。
和の色名には、四季折々の自然や景色を尊び、慈しみ、敬う日本人の繊細な感性が溢れていますね。
有職織物もまた、平安のやんごとなき貴人達が四季折々のうつろいを表現し、知識や教養、素養として高めていった美意識や繊細な感性により培われた織物です。
それが脈々と今日まで受け継がれ、素晴らしい意匠として極く一般の私達が着物や帯として身に纏うことが出来る幸せを感じます。
顕紋紗とは、夏衣として平安の公家達に重用された織物で、透けた紗組織の上に平織で文様を織出し、その優美さを愛でる織物です。
袷の季節の二陪織物に対する夏バージョン、といったところでしょうか。
瓶覗色の入子菱文様の地の上に、量感豊かで優雅な唐花文を、白、金、そしてクリームで織り上げていただいた、弊店指定の誂え色です。
陰に日向に有職織物を支え続けてこられた織人の作る優雅な有職の袋帯。
幅広い晴れの日のお召し物にどうぞ。