付下
糸目自体が美しく、それのみで友禅の彩色溢れる柄に引けをとらないのが本糊(真糊)糸目のお着物です。
弊店がご紹介している本糊糸目の職人さん達は、いずれも熟練の手を誇る方々ばかり。
その方々が引く糸目の線は、抜群の存在感と格別の仕上がりです。
幣サイトでは、羊歯の丸紋、白詰草などの丸紋にあしらった付下や、菱割十字花、ミモザ、六角筥笹などの流れにあしらった訪問着等、いずれも糸目糊の白揚げが景色であり華となるような作品をご紹介してまいりましたが、この度新たにご紹介いたしますのは、糸目糊の美しさに友禅の彩色の彩りと刺繍の華やかさが加わりましたお品です。
作品の基礎となるベースは本糊糸目。
糊糸目の繊細であり、力強い筆致はいつ見ても素晴らしく、見事な立羊歯が量感豊かに染め上げられています。
紫味を帯びた薄い桜色”白梅色”という淡い地色であっても羊歯の伸びやかさが立ち、浮き出て参りますね。
そして更に友禅の優雅さも加わります。
暁鼠、紫苑、菫色…、紫系の濃淡を用い、金彩をあしらい、葉の一つ一つに丁寧に色を挿している様は見事でございますね。
凝った丁寧な仕上がりの仕上げには、やはり刺繍の艶と立体感がかかせません。
たっぷりと刺繍を施し、よりラグジュアリーに。
特別な、本糊糸目の美しいお着物が出来上がりました。
仮絵羽にせず、丸巻(反物)でのお作りですが、お仕立てさせていただきますと訪問着となんら違いはございません。
羊歯は、永遠の繁栄を寿ぐ吉祥のモチーフ。
あらゆる盛装、礼装のシーンにどうぞ。
真糊糸目友禅
友禅の色が互いに混ざり合わないための防染の役目である糊のライン、”糸目”。
この糸目には大きく分けて、ゴム糊と餅米を主原料とした本糊(真糊)に分かれます。
ゴム糊のほうが扱いやすく細い線が出るので、一般的な手描き友禅ではゴム糊が主流ですが、弊店では、糊置きのラインそのものが見応えある景色としてお勧めしたいお着物を、特に本糊糸目友禅としてご紹介しています。